実は、東京2020パラリンピック聖火ランナーにご選出頂いて、人生に2度と無いであろう経験、体験をさせて頂きました。
この活動を続けてきた中で、ご縁があり推薦してくださり、今回ご選出頂き、そういうこと(LGBT的な面)は表立って出していないわたしでしたが、折角の機会でしたのでご快諾させて頂きました。
こういうご時世ですので、公道での聖火リレーは中止となり、トーチキスのセレモニーでの開催となりました。
しっかりと事前にPCRや二週間前からの検温なども経て当日を迎えました。
そういうことも、小まめに事務局から連絡があり安心して参加することもできました。
実際に、選出のご連絡がきたのは今年のGWあたり。聖火ランナー運営事務局さんとのご連絡事項メールを数十通頂き、当日を迎えました。
色々と、厳しい制約があるんですよね。 例えば、ランナーはピアスもネックレスもNGで、腕時計もNGで、マスクはロゴ付きNGで、聖火トーチを持つ位置や高さまで事細かに指定があったり…。
でもね、誰にでもわかりやすいようにイラスト付きの聖火ランナーバイブル的なPDFも送られ熟読しました(笑)
聖火ランナーの当日スケジュールは結構忙しい‼️
検温/消毒→受付→ユニフォームに着替え→荷物を預ける→オリエンテーション→(即席でトーチキスのポーズを考える)→バスで会場へ→区間ごとにトーチキス→バスで戻る→マスコミ取材→着替え→自分の使ったトーチを受け取る→解散
という、集合から解散まで実に5時間ほど…。
セレモニー後の取材をお受けする時は、もう抜け殻のようにクタクタで頭は回らず(笑)もはや、あれが世に出回ったら困る(笑)
なかなか出来ない経験でしたので、わたしが感じた感想を少しお話ししますね♪
そうそう…まず最初に胸アツだったのは「いざ、バスへ乗り込むぞ‼️という時にホールにいる沢山のスタッフさんから激励の拍手で送り出してくれるというところ」
学校の体育館の何十倍もの広いホールに、沢山のスタッフさんがいるのですが、ホール担当、会場担当のスタッフさん合わせて何人くらいいらっしゃるんだろ。わたしが想像をしていた人数を余裕で越えている。そんなイメージ。
人数は多くいても、会場も現場も広いので密になるってことはまず無かったですが、こんな人数の人が動いているのか!という驚きはありましたし、マスコミも凄く多くて、ものものしい雰囲気はありました。
セレモニーだけなので、今回実際にランナーが何か大変なことをするとかも特にないのですが、これが公道で正式スタイルの聖火を運ぶとなったらまた、その想いもひとしおなわけで。
あの盛大な、拍手…
きっと、聖火ランナーそれぞれに選出理由はあるのだろうし、それぞれに抱えた想いみたいなものもあって。そういうバックグラウンド的なものも含め、なんだか胸アツになった瞬間でした。
そして私は、この活動を続けてきたからこそ選出されたわけで、そこで出会えた沢山の人へ感謝の思いも溢れましたし、同時に出会った方々の顔を思い浮かべながら胸アツで会場へ移動しました。
東京2020パラリンピック聖火リレーコンセプト
「Share Your Light / あなたは、きっと、誰かの光だ。」
パラリンピックの聖火は3人1組で聖火を運ぶことをテーマにしていて、その時に初めて出会った人同士が聖火を繋ぎ、同じ時間を共有するのですが、このテーマも素晴らしいなぁって思いました。
たまたま出会った3人なわけです。 年齢も、性別も違う、なんなら共通点を探す方が難しい3人なわけですが、それこそ違いなんてどうでもよく、互いの輝きに目を向け尊重しあいながら聖火を運ぶというミッションを一緒にこなす♪
このコンセプトの下、聖火ランナーが選出されたわけですが、今回ほかのランナーさんとの交流もとても刺激のあるものでした。
神経難病を発し、手が不自由な方。 聴覚障害のある女子大生。知的障害をもつ弟を支えるお兄ちゃん…。 もちろん、障害を持った方だけでないですよ!
それぞれに色んなバックグラウンドを抱えている現実はあるのですが皆さんが共通していることは「今」を大事に重ねていらっしゃって、皆さんが明るいんです。とびきり明るい‼️
よくいる、感じのいい人。を越えて元気にすこぶる明るい!!
そして1番感じたことは、壁を自分から取っ払っているというか、やっぱり壁を作るのはいつでも自分だったんだなぁ。ということを改めて感じました。
手が不自由な方がペットボトルのお水を飲もうとして、キャップを開けられなかったら隣に座っていた人が、自然と手を伸ばし開けて、閉めてあげる。 そのサポートに対して感謝する姿。 あたりまえ。 互いにできることをしてるだけ。 助けてあげることも、助けられることだって当たり前。 でも互いに感謝や思いやりがあって成り立っている。
他人同士でも、互いにやさしさに溢れていた瞬間が多かったんですよね。
サポートしてあげたいなと思った瞬間にある(もしかしたら迷惑なんじゃないかな)みたいな自分の中にある勝手に躊躇しちゃう壁ってのもいらないんだろうなぁって思ったんですよね。
その手が不自由な方は、トーチキスのステージに登った瞬間に胸が熱くなって涙が溢れたそうです。
きっとね、色んな想いがあったんだろうなぁって思うんです。
これこそが、単に良い時間ではなく本物の時間を過ごしているっていうことなんだろうなぁと実感しました。 ハーフマラソンに挑戦するんだ!と意気込んでいらっしゃって、その前向きさと明るさに感銘を受けました。
なるほどなぁ…選出されるには理由があるんだなぁ。と、関心しちゃいました。
それぞれにドラマがあるんですよね。
私は、生まれつき聴覚障害のある女子大学生とトーチキスをすることもあり、身振り手振りでコミュニュケーションをとっていたのですが、唯一知っている手話(ありがとう)を、思いきってお別れ間際にしてみたら、すっごく喜んでくださって笑顔になってくれたのが印象的でした。
と同時に、手話を覚えたくなったので、またこの出会いも素敵な出会いだったなぁと振り返っています。 まさに、きっかけをくれた彼女は、わたしの光だったわけなんですよね。
聖火ランナーとして選出され、当日を迎え、終えた今。
結局、私が誰かに何かを与えるというよりも、こうやって出会えた方々から刺激をもらい、きっとその時に感じたことを、こうやって誰かに伝えながら、そして意味のわからない自分の中にある思い込みの壁を取っ払って、色んな人と接していく、心で接することこそが大事なんだろうなって思いました。
誰でも誰かの光になる。
どんな壁も、作ってしまうのも、取っ払うのも自分次第で、その自分のマインドで未来は良くも悪くも変わっていく。
わたしが思っているよりも、世界はやさしく、世界は強いのかもしれない。
他者との違いって、いろいろある。
けれど、その違いに目を向けるのではなく、その人の輝きに目を向けることで未来は、きっともっと、やさしい世界になる。
日々、学びが多いですね。
そしてやっぱり、出会えた人に感謝しかない。
わたしにとって貴重で、とても尊い時間でした。
ご選出頂いて、本当にありがとうございました。
わたしにとっても、想いの詰まったこのトーチ。
1番最初に、母へ手渡しました♪♪
いつもありがとう♡
この夏で、わたしの母としてちょうど40年♪
支えてくれた母へ、ささやかなプレゼント。
さてと。 少しずつ手話を学ぼうっと♪♪